源孝志監督・脚本ということで興味を持って観ました。
基本ミステリーなんでしょうが、観終わったあと何だが清々しい気分になるのは、源孝志監督のなせる技なんでしょうか。それとも永井紗耶子の原作によるものなんでしょうか。
原作「木挽町のあだ討ち」は2023年に山本周五郎賞、直木賞を受賞している時代小説です。いずれも大衆小説が対象のようですので、ピッタリかもしれません。
江戸後期の、江戸文化が最も栄えた時代に舞台を設定しています。
昨年の大河ドラマの蔦重のちょっと後の時代ですかね。
芝居小屋という世間的な「悪所」を舞台に、粋な人間模様を描きます。
木挽町は、舞台である森田座がある場所。そこに隣接する場所で起きた仇討ち事件の真相が徐々に明らかになっていきます。
まず最初の芝居小屋の明かりが川面に映る様や小屋から人が出てくる傘の模様、雪の景色が美しい。
この最初のシーンが一番の見せ所だからでしょうか。
一面の雪と血潮の対比と、仇討ちというドラマ性が人々の心を掻き立てる場面。
真相を探している柄本佑演じる主人公がいい味を出しています。腹が据わっているが、人の懐に入るのがうまく、ついつい身の上話などを話してしまう。
ミステリーというほど緻密に組み立てられておらず、「なんで?」と思わせるところは多くありますが、筋あかしはこの話の主題ではありません。
タイトルの「あだ討ち」と「あだ」がひらがなになっているのは訳があります。
仇討ちの筋書きでは「徒討ち」という字が当てられているからです。
- 監督・脚本:源孝志
- 出演:柄本佑、渡辺謙、長尾謙杜、瀬戸康史、滝藤賢一、山口馬木也、正名僕蔵、石橋蓮司、沢口靖子、北村一輝
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