Cry Freedom

この映画の原作本が出されたのが1978年。
この映画が封切られたのが1987年。
マンデラが解放されたのが1990年。
アパルトヘイト廃止宣言が出されたのが1991年。
アパルトヘイトが法的に廃止され、政権が変わったのが1994年。
この物語が始まった1975年から数えると20年近く年月を経ないと願いは叶えられませんでした。
実に「遠い夜明け」と言わざるを得ません。
1980年には Peter Gabriel が "Biko" という曲を出し、翌年には The Specials が "Nelson Mandela" を歌い、E Sreet Band の Little Steven Van Zandt らが1985年に Artists United Against Apartheid として “Sun City" を出し、同じ年に Stevie Wonder は "It's Wrong" を出しました。
そもそも1960年代にNelson Mandelaや Walter Sisulu や Robert Sobukwe らが投獄され、Thabo Mbeki らが国外に逃亡しして下火になっていた反アパルトヘイト運動を再活性化したのは、この物語の主人公とも言える Steve Biko の活動によります。
彼は学生運動を組織化し、黒人の意識向上を求めました。反白人主義ではなく、白人リベラルからの自立を主導していたようです。
政府による活動禁止後の動きはこの映画の中でもいくつか取り上げられています。
映画の中でも描かれた彼の葬儀には2万人が集まったと言います。
その彼の死を無駄にしないために、新聞の編集長だったもう1人の主人公 Woods は死の真相を暴く原稿を携えてイギリスへ逃亡しますが、この映画の後半はその逃亡劇が描かれています。これ、そんなにいらないんじゃないの?と思いましたが。
反アパルトヘイト運動の中で多くのリーダーが亡くなりましたが、彼もその1人です。
生き残った人が、アパルトヘイト後の政権でリーダーを務めていますが、生き残った人だけが英雄ではなく、こっやって犠牲になった人たちこそが英雄なんだろうと思います。
生きていれば、新政権の中で必ず要職に就いた人だったろうと思います。
- 監督:Richard Attenborough
- 脚本:John Briley
- 原作:Donald Woods “Biko"(1978), "Asking For Trouble"(1981)
- 出演:Kevin Kline, Denzel Washington, Penelope Wilton
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