2026年2月8日日曜日

沈黙の戦艦 (1992)

Under Siege

昔見た時は、圧倒的な主人公の強さに圧倒され、快感を覚えたくらいでした。
同じ感覚が今観てもあるのかなと思い、再びみてみました。
結局、Steven Seagal は途中の銃撃戦で肩の辺りを少し怪我したのと、最後の決闘で額に切り傷を得たのみでした。

ストーリーは90年代初期にありそうな、やりすぎやろ系で、戦闘機は撃ち落とすわ、核弾頭を強奪するわ、トマホークを発射するわで、もう無茶苦茶です。
そういう意味では、リアリティがないのが救いです。
"Dr. Strangelove" も狂気と核の主題でしたが、こっちの狂気はおかしすぎます。こんなことは起きないでしょう。

主人公の行動も凄すぎますが、都合よく色んな道具が使えるのも笑えるくらいです。
溶接機に溶接グラス、衛星受信機に通信機、爆発に使うオイル缶にタイマー爆弾、爆弾製造もこの短期間でやり遂げます。特殊部隊にいたからって、そりゃ無理でしょ、って感じです。
しかも、この戦闘の間に恋も芽生える。

その完璧さが魅力の映画なんでしょうね。

ちなみに「沈黙の」は映画と全く関係ありません。当時日本で流行っていた漫画「沈黙の艦隊」からとったそうです。
Under Siege は「包囲下」という意味です。絶体絶命の状況から1人で戦艦を奪還するストーリーには合ってます。「海のダイハード」は確かに、って思います。


  • 監督:Andrew Davis
  • 脚本:from J. F. Lawton's "Dreadnought"
  • 制作:Arnon Milchan, Steven Seagal, Steven Reuther
  • 出演:Steven Seagal, Tommy Lee Jones, Gary Busey, Erika Eleniak


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2026年1月25日日曜日

GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊 (1995)

最近SFものが続いていますが、今回は押井守の傑作と言われている「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊 」。
これだけ有名なのに、僕は一切触ったことがなく、何の前情報も無く観ました。

人間と一体化したサイボーグが普通の世界を舞台としたアクションアニメですね。

1988年の「AKIRA」や1982年の「ブレードランナー」、1984年の「ターミネータ」からの影響が感じられます。
サイバーパンクでかつ舞台が香港(っぽい所)。
大友克洋が「AKIRA」で越えようとしたアニメの限界は超えている様に思います。背景の緻密さはすごい。アニメーション自体はそれほどでもありませんが。
また、1999年の「マトリックス」は似たような世界観を持っていることから、この映画の影響が想像できます。

全く予備知識がなくて情けないのですが、原作があったんですね。
士郎正宗による全3巻の漫画で、1989年から1990年にヤングマガジン海賊版(そんなのあったんですね。いわゆる増刊号)に連載されたものです。今買おうとするとメチャ高い。
その1巻目のサブタイトルが「The Ghost in the Machine」で、この映画の原作になっています。
おもろそう。


  • 監督:押井守
  • 脚本:伊藤和典
  • 演出:西久保利彦
  • キャラクターデザイン:沖浦啓之
  • 作画監督:黄瀬和哉、沖浦啓之
  • 原作:士郎正宗


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2026年1月13日火曜日

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター (2022)

「アバター」は劇場に観に行きました。3Dサングラスつけて。
当時3Dが流行ってて、家のテレビも3D対応のを買いました。
今では何の意味もないけど。

「アバター」の続編が出ているのも知りませんでした。
James Cameron は映画会社と「アバター」シリーズで5作作る契約をしているらしいので、今後も続々出てくるんでしょう。

「アバター」も最終的にはハッピーエンドなんですが、終盤に至るまでが苦しい感じが強く、観るにはちょっと気合いがいります。
この映画も同じで、気合い入れて見始めましたが、イメージ通りの苦しい展開でした。
前回は男女の恋の話でしたが、今回は家族愛の物語。より多くの共感を得ることができたでしょう。

ストーリーは王道なんですが、やはりその映像が驚きです。
今回は、舞台を森から海に移した分、水の表現が最重要になりますが、水面に映る光、水中の歪み、空からの光などの表現がリアルそのもの。
敢えて難しい表現が必要となる舞台を選ぶところが James Cameron なんでしょうね。
一つ一つの場面表現が、すでに芸術の域に達しています。
ソフトウエアの開発にすごい時間をかけたと聞きますし、膨大な制作費は開発や原画作成に費やされたことは想像がつきます。ヒットメーカーだけに許される金の使い方なのかもしれません。

前作はアメリカ先住民(インディアン)を下敷きにしていると思われますが、今回は海の民ということで、ニュージーランドのマオリ族がモチーフになっているようです。
自然と共生する先史民族と西欧文明社会の衝突という構図は、文明側の人が少なからず持っている贖罪の気持ちを代弁していると思いますし、鉱物資源や動植物資源のための紛争は現代の世界にも当てはまる警鐘です。


  • 監督 : James Cameron
  • 脚本 : James Cameron, Rick Jaffa, Amanda Silver


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2025年10月7日火曜日

炎のランナー (1981)

1924年のパリオリンピックでの陸上競技を舞台にした英国ドラマです。

主人公の2人のイギリス人が金メダルを取った他、ケンブリッジ大学のメンバーが活躍したようです。
イギリスすごいやん的ナショナル映画のようにも捉えることができます。「トップガン」みたいに。

舞台は1920年代初頭、ということで第一次世界大戦が終わったばかり。
イギリスは閉鎖的社会で、主人公の一人エイブラハムスはユダヤ人であることに悩んでいます。
民族的にも宗教的にも排他的な社会だったんですね。
もう一人の主人公リデルはスコットランド人で、キリスト教の伝導の道を目指しており、日曜日の競技を拒むなど宗教位忠実な人物。中世的意識がまだ多く蔓延っていたのが分かります。
ケンブリッジ大学では、プロのコーチを雇うなどけしからん、といったアマチュアリズムが堅牢で、なんとも生きづらい感じがします。

そう思うと、この時代の生きづらさは今の時代の別の生きづらさと大して変わらんのでは、とも思えてきます。
そういった生きづらい世の中でも、精一杯自分の生を生きようとする人たちの姿を描いているのかな。

"Chariots of Fire" というのは、映画の最後に教会で歌われている "Jerusalem" (エルサレム)の中の一節で、William Blake が作った詩の一部のようです。"Jerusalem" はいくつかのスポーツでイギリスの国家的に扱われている曲で、イギリス万歳的意味を与えたかったんでしょうね。

「炎のランナー」といえば Vangelis のサウンドトラックが超有名。主題曲 "Titles" はインストでありながらビルボードの1位となっています。
シンセサイザーによる音色とメロディが素晴らしい。ちなみにシンセはヤマハCS-80だそうです。


  • 監督:Hugh Hudson
  • 脚本:Colin Welland
  • 出演:Ben Cross, Ian Charleson, Ian Holm, Alice Krige

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2025年8月16日土曜日

舟を編む (2013)

辞書を作るという地味な作業を小説にしようと思った着想が素晴らしい。

エピソードは出版業界の「あるある」なんでしょうか。

2009年から2011年にかけて雑誌に連載し、2012年に本屋大賞をとって、早速2013年に映画化されています。

NHKで連続ドラマにもなっていますが、辞書を作るという13年間の小説ですので、ドラマは無理でしょう、と思いました。

オタク気質の主人公の成長物語でもあります。
辞書作りは向いてるとしても、女性とトントン拍子にうまくいくのは流石に「ない」と思いました。
男性の妄想が入っているのだと確信しましたが、作者は女性でした。こういう恋愛に憧れたりするんだろうか。女性ファッション雑誌に連載されてたようなので、あながち共感を得られてないとも思えない。というか、共感を得るだろうとの読みのストーリーのはず。

登場人物が、皆辞書作りに情熱を持っていて、爽やかな視聴後感です。


  • 監督:石井裕也
  • 原作:三浦しをん
  • 出演:松田龍平、宮﨑あおい、小林薫、オダギリジョー、加藤剛 、黒木華


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2025年6月8日日曜日

半落ち (2004)

容疑者が完全に罪を認めるのが「完落ち」、一部認めるのが「半落ち」。

アルツハイマー病を患う妻を絞殺した警部の、殺人後の2日間の行動を追うミステリー。
警察、検察、弁護士、記者が真相を追います。
結局、犯人の警部の誠実で真摯な人柄が浮き彫りになっていく、という展開です。

ちなみに、刑事、検察官、弁護士は年齢は違うものの、同期という設定です。
警察での捜査、検察の調査を経て、裁判で真実が明らかになっていきます。
小説に忠実に映画化しようとしたせいか、映画の2Hの尺では舌足らずのところがあります(検察と警察の裏取引などは何のことか分かりませんでした)が、全体のストーリーにはあまり影響がないように思います。

今から20年前の映画ですが、ずいぶん時代が違うなと思いました。というか違和感を感じるくらいでした。
まず、けっこうな人がタバコを吸っている、事務所や公共の場でも。
ワープロはあるけど、デスクにはパソコンはない。
職場の中での上意下達が激しい。えらそうに命令口調。
女性は男社会に従属してる感じ。妻は夫に頼っており、家の中のことをやる存在。
この20年間で随分社会の規範は変わったもんだなと思います。

テーマの一つが認知症ですが、これは他人ごとではありません。時代が変わっても変わらない課題です。


  • 監督:佐々部清
  • 脚本:田部俊行、佐々部清
  • 出演:寺尾聰、柴田恭兵、伊原剛志、吉岡秀隆、原田美枝子、樹木希林、鶴田真由

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2025年5月25日日曜日

ミッドナイト・ラン (1988)

Midnight Run

真夜中の逃亡、的なタイトルかと思ってましたが、もちろんそういう意味も掛けてるんでしょうが、「簡単な仕事」というスラングみたいですね。一晩で終わる仕事ってことなんかな。
日本語訳のセリフの中でも「チョロい仕事だろ?」と出てきます。

その「チョロい仕事」がだんだん大変なことになって、人生のドラマが垣間見えてくるというストーリーです。
ベースはコメディタッチなので、シリアスな内容なんだけど、ストーリー展開が緻密すぎず、まあ気楽に観れます。
サウンドトラックも Huey Lewis 的な少し開放的な感じです。

イマイチ最初に入ってこなかったのが、保釈保証業者。日本ではあまり聞かんもんね。
被疑者に代わって保釈金を立て替える業者らしいです。その被疑者が保釈金を踏み倒そうとするので、それを捕まえるのがバウンティハンターらしいです。なので、保釈保証業者からの依頼で動くんですね。
古くは賞金稼ぎなので、懸賞が掛けられた被疑者を捕まえる、ということなんでしょうか。

主人公はそのバウンティハンターで、行方が分からなくなった保釈人を5日以内に引き渡す条件で仕事を引き受けます。行方をくらました理由は、保釈金の踏み倒しではなく、裏社会のボスから逃れるため。
主人公は、凄腕で、すぐに保釈人を見つけますが、そこから色んな展開があり、ドタバタが続いていくというもの。

アメリカンないい映画だと思いますが、映画を引き立てているのはやはり Robert De Niro でしょうね。
様々な役を驚くような演技で魅了する最高の俳優ですが、こういったコメディタッチの映画でも絶妙な演技をしてます。


  • 監督:Martin Brest
  • 脚本:George Gallo
  • 出演:Robert De Niro, Charles Grodin, Yaphet Kotto


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