2020年1月21日火曜日

ひまわり (2000)

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青春と小学校の頃の初恋の交差(実際はあれが初恋だったと今気づく)。

なんでしょう、こういう青春ものはいろいろ見たことはありますが、一番フィットする感触です。
まるで自分のことみたい、あるいは代弁者というか。
極端に突っ張ってなく、極端にふざけてもなく。

袴田吉彦、麻生久美子、マギー、光石研、北村一輝、津田寛治、堺雅人、田中哲司らが出ていて、みんな若い! 本格的に売れる前ですよね。
それが既視感というか親近感を感じさせるのかもしれません。
中でも麻生久美子の綺麗さが半端ない。それだけでも一見の価値ありです。

行定勲監督の長編映画初監督作ですが、福本淳のカメラワークが冴えていると思いました。

それにしても、2000年って、こんなにみんなタバコ吸ってたっけ?というほどみんなタバコ吸ってて、この20年の世の中の変わりようを感じました。

映画を最後まで見て、最初の海難事故のTV映像を見ると、えっ!?ってなります。これは監督のギャグなのか。

2020年1月18日土曜日

La Strada (1954)

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Federico Fellini の映画は初めて見ました。

ロード・ムービーとも言うべき、旅芸人のお話。
夢とか希望とかない、とうしようもない人たちの中に、優しさや暖かさをもたらす、そんな映画ですが、主人公の頭の少し弱い Gelsomina の存在が絶望から救っています。
彼女の人生って何だったんだろうと思いますが、確実にもう一方の主人公の Zampano の心には大きな足跡を残したことになります。小さな石に意味がないとすれば、星にも意味がない。

印象的な主題曲は、佐野元春の"彼女"のイントロに似ていて、とても悲しくて美しい。きっとアレンジした人は影響されたのか、リスペクトで使ったんでしょう。

The Da Vinci Code (2006)

大衆娯楽である映画は時間に制限があって、大変なテーマに取り組んだなと思います。
おそらく、"The Da Vinci Code" は、文学が完成形であって、そこに動近づいていこう、という挑戦なのかもしれません。時間との戦い。

この文学の面白さ、特にトリビア的な知識とミステリーを表すためには、おそらく膨大な理解する時間が必要なんでしょう。本を読んでないので分りませんが。

映画の批評的には辛口なものもありますが、ギリギリ映画として成り立っていると思います。映画としては人の内面にも少し触れ、それなりに面白かったです。

2020年1月7日火曜日

嘘を愛する女 (2018)

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「○○な女」という横澤夏子のパロディのようなタイトルで、はじめ嘘つきな女の話かと思っていましたが、実際は、愛する男がウソだったという話でした。

過去のことを何も知らずに人を愛せるな、と思いますが、よく考えたらみんなに当てはまることかもしれないと思います。その人の何を見ているのか。恋する時って、その人の過去の人生は関係ないのかも。今のその人が好きだから。

どうしようもなく人生って哀しい、そんな人たちの物語ですが、ラストに向かって少し方向が変わります。
自分勝手だった主人公も、相手のことを正面から向かい合うことができるようになります。
そういう悲しくも少し未来が見える映画でした。

Seven (1995)

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陰鬱を絵に描いたような映画で、何度見ても気持ちが落ち込みます。
ずっと雨が降っている印象でしたが、実際は逮捕される日曜日あたりから晴れていて、ラストシーンの荒野は晴天でした。

この世の中は荒れ果てている、ということがこの映画の主張で、救いようがありません。途中で、老刑事のサマセットが「事件にハッピーエンドはない」というのは、この映画のことを言っているのか。
サマセットは昔、「このひどい世の中に子供を産んでいいのかと悩み、子供を諦めさせたことがある」と言っていましたが、この映画を通したテーマのように感じます。

エンディングに向かうシーンは、それまでの殺人よりずいぶん時間をかけていて、荒野という乾いた場所が、それまでとのコントラストをきわただせています。とにかく衝撃的で救いようがない。先に未来もない。
観ようと思うのに勇気がいります。