2021年2月7日日曜日

天気の子 (2019)

新海誠監督の映像は、ここでもすごかった!
雨粒が水面にあたって跳ね返る描写、雪が落ちてくるときの遠近の落下差、都会と空の景色...
「君の名は。」のようなストーリーの驚きはありませんが、これらを見るだけでもこの映画を観る意味があります。

意味。
主人公の一人は言います。「君が生きる意味を与えてくれた」
もう一人の主人公は、短い人生の中で「人生の意味」を見つけます。
このシーンを観ながら僕ははっきりと人生の意味が分かりました。
佐野元春は歌います。「君と輝き、君と闇をくぐって小舟を漕ぎ出す」That' the meaning of life.

最後に主人公は、世界を変えたことを認識します。自分の世界、自分が認識する世界。
世界を変えることも人生の意味の一つですね。
これは、アニメとSFのの "Catcher in the Rye" かもしれません。


監督、脚本、原作:新海誠


Watch on Apple TV

2021年1月31日日曜日

My Fair Lady (1964)

僕の生まれる前やん。
あんな時代に、こんな映画を作れるアメリカは、確かにあこがれの対象だったんやろね。カラフルな映像にウィットの効いた会話、上流階級の暮らし(アメリカじゃなく英国が舞台ですが)。

ミュージカル、なんかハッピーな気分になります。ディズニーっぽい。
途中に小休止があるほど長いのですが、正直歌部分が長い。ミュージカルやからしょうがないんですが、しかしなんでアメリカ人はこんなにミュージカルが好きなんやろ。共感できんのですが、日本人も歌舞伎好きなんで、あいこですか。

男と女のものごとの捉え方の違いをコミカルに描いてますが、男と女以外にも、富裕と貧乏、自由と不自由なんかの対比がおもしろく表現されています。

ちなみに、ピグマリオン効果の例でこの映画が出てくるのですが、ほぼピグマリオン効果は出てこず、イライザのセリフのほんの一節だけでした。

I shall always be a common flower girl to Professor Higgins, because he always treats me like a common flower girl, and always will.

But I know that I shall always be a lady to Colonel Pickering, because he always treats me like a lady, and always will.


  • Directed by George Cukor
  • Cast: Audrey Hepburn, Rex Harrison, Stanley Holloway, Wilfrid Hyde-White


Watch on Apple TV

2021年1月30日土曜日

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン (2007)

リリー・フランキーと母親の思い出を綴った自伝エッセーの映画化です。

母親が死んだ後に本人が書いてますので、かなり主観が入っていると思いますが、本当だとしたら(本当でしょうが)、これこそ親孝行やなと思います。
ダメだと分かりながら親に甘えて生きている子供と、子供愛することに生きる母親。

母親が病気になったことを契機に、東京に呼び寄せて一緒に暮らします。これってなかなかできんけど、これだけで母親は幸せでしょうね。
親が元気なうちに親孝行せなな、と思います。

母親の思い出が、明るい人であるのも考えさせられます。あくまで主観でしょうが。でも、明るいことって大事やな、と改めて思います。
先日久しぶりに見た旧友の笑顔が印象に残ってるかもしれません。

映画的には、昭和の世界の再現が素晴らしいです。リリー・フランキーは1963年生まれなので、僕よりちょっと年上のほぼ同年代。昭和40年代~50年代の僕の記憶も、こんなくぐもった映像です。北九州の方が都会でしょうが、四国の田舎も逃げ出したくなるようなものでした。

監督:松岡錠司
脚本:松尾スズキ
出演:オダギリジョー、樹木希林、内田也哉子、小林薫、松たか子


Watch on Apple TV

2021年1月4日月曜日

許されざる者 Unforgiven (1992)

Clint Eastwood の評価を決定づけた西部劇、日本題は「許されざる者」。

生活の苦しさから賞金のために殺しをやる主人公と、町の治安維持のためには手段を選ばない保安官との対決を描いています。

主人公が正しいとも保安官が正しいとも言えない、なんだか不思議な後味の映画です。

昔の悪事から手を洗ってまっとうな生活をしているのに、金のために殺人を請け負うというのはどうなのか。娼婦の顔に傷をつけただけで殺されなければならないのか。犯人の行方を知るために仲間を拷問で殺してさらし首にするのはどうなのか。そもそも娼婦の顔に傷をつけるのは許されることなのか。

だいたい何のために対決するのか希薄な中での、人と人との対決が本当に気持ち悪い。

ただ、ハードボイルドであることは間違いありません。

Director: Clint Eastwood
Writer: David Webb Peoples
Stars: Clint Eastwood, Gene Hackman, Morgan Freeman


Watch on Apple TV

2020年11月21日土曜日

ボヘミアン・ラプソディ Bohemian Rhapsody (2018)

どっちかというと、Queen の音楽はそれほど好きな部類ではありません。
それでも "Bohemian Rhapsody" はいい曲だと思います。はちゃめちゃな展開にオリジナリティを感じます。

この映画は、1970年の Queen 結成から 1985年のライブエイドまでの期間の Freddie Mercury の人生の映画です。

この映画を見るまでもなく、Freddie Mercury は規格外の人間です。規格外だからこそ、あれほど成功し、人々の心を掴み、人からはみ出し、生き急いだのでしょう。
ロック・パフォーマーであることと、ゲイであり乱痴気騒ぎを繰り返したことは必然的に結びついています。
抑圧された移民の子である孤独な青年が、Mercury というスーパースターになりきり、エゴを全開していったのでしょう。
私はゲイの人の気持ちは分かりませんが、パーティで心が開放された、と Freddie が言っていたのは頭に残っています。

この映画は大ヒットしましたが、今見るとどうしてそれほどヒットしたのか分かりません。
やっぱ、音楽の力なのかなぁ。
ドラマチックなストーリーではあるんですが、それと音楽の力が結びついて、感動にまでなるんでしょうね。
そしてウェンブリーの大観衆の一体感。
音楽の感動って頭で考えるものじゃないです。

  • Director: Bryan Singer
  • Cast: Rami Malek, Lucy Boynton, Gwilym Lee...


Watch on Apple TV

2020年11月3日火曜日

スワロウテイル (1996)

岩井俊二監督の問題作。役者がみんな若い、と思ったら、もう20数年前の映画なんですね。

三上博史の演技はわざとらしくてあまり好きじゃないんですが、この映画は逆にそれがうまくはまっているように思います。

舞台は日本の架空の都市で、移民たちが暮らす街。中国語、英語、日本語、それらを混ぜた言葉が入り混じる、まさに無国籍の世界です。"アキラ"を彷彿とさせる、近未来の無秩序です。

移民たちは、娼婦やゴミから売れるものを探す、といった最底辺の暮らしの中で、一獲千金を夢見ています。これは「活気」なんでしょうね。バブル後のまだ日本にあった「活気」、上を目指す熱気、ハングリースピリット、そんな残像がここにはあります。

今の日本にはない、懐かしささえ感じます。

今は中国なんでしょうね。

音楽は小林 武史とChara。主題歌 "Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜" はヒットしましたし、いい曲です。


監督:岩井俊二
出演:三上博史、Chara、伊藤歩、江口洋介、アンディ・ホイ、渡部篤郎、山口智子、大塚寧々、桃井かおり
音楽:小林 武史


Watch on Apple TV

2020年10月25日日曜日

クリムゾン・タイド Crimson Tide (1995)

Steely Dan の "Deacon Blues"

"They got a name for the winners in the world
I want a name when I lose
They call Alabama the Crimson Tide
Call me Deacon Blues"

アラバマ大学のフットボールチームの愛称 "Crimson Tide"
原子力潜水艦アラバマから来たタイトルです。

キューバ危機のときソ連の潜水艦副艦長が反対して核魚雷が発射されなかったエピソードを下敷きにしたストーリーのようです。

№1と№2の相克。実際の組織でもよくありがちな事態だと思いますが、そうなると組織はズタズタになります。士気が下がり、組織の指揮命令系統が緩み、結果として組織能力が著しく下がります。
反対意見はみんなの前では言うな、と艦長は言いますが、そのとおりでしょう。

艦長も副館長も自らの信念に沿って行動しますが、どちらも正しいと言えます。
軍人として政治に介入せず、命令を実直に実行することに専念するのは正しい。
一方で、一市民として自分の正しいと思う行動をすることも正しい。

究極の選択の場面での究極の行動です。


Director : Tony Scott
Screenplay : Michael Schiffer, Richard P. Henrick
Cast : Gene Hackman, Denzel Washington


Watch on Apple TV