the Special A.K.A. の "Nelson Mandela" を初めて聞いたのは、おそらく1985年か86年頃。Nelson Mandela の存在を知らなかった僕に、「20年も投獄されたままの反アパルトヘイトの闘士だ」と教えてくれたのは、ファンク・ミュージック好きの友人でした。僕の生まれる前から!です。
そのジャケットの写真は、いかにも闘士らしく髭を蓄え、精悍な顔つきをしており、過激派あるいはテロリストとの先入観を持ったのを覚えています。
1961年から1966年の Bob Dylan の軌跡をドキュメントしています。
焦点を当てているのは、1965年の ニューポート・フォーク・フェスティバルでの、ブルーズ・バンドを従えた演奏以降です。
これでもか、というくらいの、コンサートでのブーイングの嵐。 Joan Baez や Pete Seeger をはじめとする同じフォーク仲間からの非難。
Dylan の音楽を聴いたこともないメディアからの、プロテスターとしてのレッテル貼り。
この時代にフォーカスした Martin Scorsese 監督の手腕に脱帽です。
この非難に対して、 Dylan も決して平然だったわけではなく、戸惑い、困惑し、それでも自身が表現したい音楽を進めていく姿を捉えています。何度も作風を変えた Pablo Picasso しかり、ロックとファンクを取り入れた Miles Davis しかり、NYに渡ってラップを始めた佐野元春しかり。周囲の批評に屈せず、チェンジに対してチャレンジする姿は感動を覚えます。