2017年2月5日日曜日

Mandela: Long Walk to Freedom (2013)

the Special A.K.A. の "Nelson Mandela" を初めて聞いたのは、おそらく1985年か86年頃。Nelson Mandela の存在を知らなかった僕に、「20年も投獄されたままの反アパルトヘイトの闘士だ」と教えてくれたのは、ファンク・ミュージック好きの友人でした。僕の生まれる前から!です。
そのジャケットの写真は、いかにも闘士らしく髭を蓄え、精悍な顔つきをしており、過激派あるいはテロリストとの先入観を持ったのを覚えています。

再び彼の顔を見たのは釈放されてから。27年の歳月は長く、白髪交じりのおじいさんであり、「これが反アパルトヘイトの闘士か」という感じでした。

投獄により反アパルトヘイトの象徴となりましたが、彼の偉大なところは、釈放後の和平プロセスへの関与だと思います。映画を見てもわかりますが、反アパルトヘイト活動や投獄生活とは比べものにならないくらいの困難な状況が、釈放後の和平プロセスでした。おそらく彼の決定的な指導により、和平プロセスが進んだというより、平和的に人種差別路線を解消するという精神的支柱であったことが大きいのではないかと思います。

投獄の間に増幅した憎悪の感情と、27年を経ての妻との感情のもつれがシンクロし、投獄の間にできた、マンデラと社会との意識のずれを表わしています。
憎しみは憎しみで解決できない、もっと高い理想の社会をめざそう、という姿勢は政治家というよりは聖人に近いものがあります。

自由への長い道のりは、彼自身の道のりでもあり、民衆の道のりでもあります。自分と民衆を重ね合わせた人生を歩んだからこそ、みんなついていこうと思ったんでしょうね。

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