2018年8月15日水曜日

プロヴァンスの贈りもの A Good Year (2006)

"A Good Year" とはワインの当たり年のこと。
ワイン農場主になって、プロヴァンスでゆったりした人生を送りたいなあ、という願望が映画になった感じです。
主人公は成功したトレーダー。今ではコンピュータが処理しているのでしょうが、2006年当時は大量の人が電話で売り買いを指示しているのが時代を感じさせます。

Ridley Scott には珍しくロマンティックコメディですが、プロヴァンスのスローライフの情景が美しく、優しく撮られています。広大なぶどう農場や、シャトー、丘の風景、ぶどう作りに賭ける農夫一家、美しい隣人。まさに願望ですね。

コメディらしい、軽妙なやり取りが幸せさを演出しています。人生で大切なものはユーモアと笑顔なんだろうなと感じさせられました。

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2018年7月7日土曜日

Blade Runner (1982)

Harrison Ford の絶世期に撮られ、Ridley Scott 監督にとっては "Alien" に次ぐ3作目、ということで、新しい時代の新しいSFの傑作となり、近未来の都市の姿はサイバー・パンクと呼ばれるようになりました。そしてレプリカントという造語は一般語になりました。

舞台は2019年のLAですが、来年ですね。"Back to the Future" の2015年もそうですが、'80年代の30年後観は「ものすごい科学技術の発展」だったんですね。確かに経済的にもイケイケで、これからもどこまでも成長するということが一般的な世界観だったんでしょうね。

映像はほとんどが雨の中の湿った暗い場面で、息苦しく吐き気が伴うようなすっきりしない映画です。"7" にも似たフィーリングです。
日本語がやたら出てきますが、場面は香港をベースにしているようです。今だと中国語なんでしょうね。

寿命が4年しかないレプリカントの悲哀を描いていますが、長短は違えど人間も同様です。

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2018年7月5日木曜日

聖の青春 (2016)

僕も同じ「さとし」という名前であるということと、元同僚のお兄さんが監督ということで、以前から見ようと思っていた映画でした。

棋士村山の壮絶な、というか破滅的な生き方は、正直言ってあまり共感できませんでしたが、生きる意味、生きる証を少し考えさせられました。
何かが不足することが才能を尖らせるのか。目が悪い Stevie Wonder が音楽の才能を尖らせたように、腎臓が悪く人生を将棋に集中させたから将棋の才能を尖らせることができたのかもしれません。「こんな体だったから羽生さんと対戦できるようになった」といったセリフが残りました。

また、松山ケンイチの太った姿や、東出昌大の羽生善治の特徴を捉えた演技は、役者根性を感じましたし、リリーフランキーはいつもいい味出してます。

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2018年6月23日土曜日

La La Land (2016)

"La La Land" というキーワードが出てこないまま映画が終わり、なぜ "La La Land" なのか、という疑問が浮かびました。

映画としてはCGは使わず、アナログ、アコースティックが全体を覆っています。ストーリーは青春ラブ・ミュージカルで、オーソドックス。挫折、ほろ苦さもあります。
女優を目指しオーディションの日々の女と、ストレート・ジャズの再興を夢見る男。状況としては最悪、出口なしの状況ですが、それぞれチャンスをつかみ新たな一歩を踏み出していきます。

監督が描きたかったのは、アメリカそのもののように思います。ハリウッド、ミュージカル、ジャズ、若さ、ドリームと成功...
そういう意味で、"La La Land" とはアメリカのことなんでしょうね。(もちろんL.A.とモジってるんでしょうが)

あまり前情報なしに見たので、John Legend が出てきたときは驚きました。

Director: Damien Chazelle
Cast: Ryan Gosling, Emma Stone

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2018年6月10日日曜日

The Rewrite ―リライフ― (2014)

コメディは好きですね。ウィットの効いた言い回し、ストーリー、ハッピーな気分になります。

Hugh Grant 演じる落ち目のハリウッド脚本家が、大学の教授の職を得て東海岸に行き、学生や同僚との関わりの中で再生していくという物語。

僕はこの再生型のストーリーがなぜだか好きですが、社会生活での再生と同時に、息子との関係の再生も挟み込まれているのがいい味付けになっています。父親として一番共感するところでした。

2018年5月13日日曜日

メッセージ ―Arrival― (2016)

見終わった後、涙が出てきました。
静かな空気と荘厳なサウンド、一貫した陰鬱な暗い画面。決してハッピーな映画ではありませんが、心の奥深くに問いかけてくる映画です。

日本語タイトルは「メッセージ」、原作は Ted Chiang の短編小説 "Story of Your Life"。そう、これは僕たちの物語なんです。

SFの形を取っていますが、Ted Chiang にとって、これは異生物とのコンタクトの物語であっても何でも良かったのだと思います。言語を通じて時間を自由に解釈できるようになる能力を人類に身につけてもらうこと、それがエイリアンの目的で、言語学者である主人公はエイリアンとの対話の中でその力に目覚めていきます。

UFOの出現と娘の死という個人的な話が交錯して進み、最後に思いもよらない形でその2つが結びつきます。

そしてエンドの主人公の決断。人生は幸せなことだけではなく、死や別れをはじめとして苦しく辛いことに溢れています。それでも私たちはそれを受け入れ、向き合っていくのだということを強く感じました。

SFとしては、まさに「未知との遭遇」ですし、「エイリアン」「宇宙戦争」にも似たところがありますが、エイリアン「ペプタ・ポッド(7本足)」の描き方からして秀逸だと思いました。監督の Denis Villeneuve の力ですかね。それと Jóhann Jóhannsson のサウンドです。過去のエンカウンター系の映画はすべてチンケに思えます。

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2018年4月22日日曜日

The Martian ―オデッセイ― (2015)

"Martian" とは「火星人」。映画の内容は、"Life On Mars"。
日本語タイトルの「オデッセイ」 とは「長期の放浪」、「長い冒険」。

事故により死亡したとして火星に一人取り残された主人公の生存への努力と、地球やクルーの人々の奮闘を描いた物語です。30日ほどのミッション分の機材と食糧の中で、次に火星に探査船が来るのは4年後の予定。こんな絶望的な状況の中で、死を待つだけでなく、生きていこうとする意志と、それが結果につながるという超ポジティブ映画です。もちろん、途中でも終盤でも絶望的な状況になり、そのたびに克服していきます。

科学の力、というのもテーマですが、宇宙戦艦ヤマト的な夢物語的なフィクションというわけではないので、ところどころ「おかしいやろ」「それはどうするつもり」、という突っ込みどころ満載ですが、ストーリーを重視して、そこは甘んじて受け入れなければなりません。

おもしろいのは、サウンドトラックです。船長の趣味の70年代ディスコサウンドが最初はフィーチャされて、おかしなテイストを出しているなと思ったら、けっこう歌の内容とストーリーがシンクロしてるんですね。

Turn the Beat Around – Vickie Sue Robinson
Hot Stuff – Donna Summer
Rock the Boat – Hues Corporation
Don’t Leave Me This Way – Thelma Houston
Starman – David Bowie
Waterloo - Abba
Love Train – The O’Jays
I Will Survive – Gloria Gaynor