2022年2月27日日曜日

マトリックス トリロジー (1999, 2003)


一気に三作観ました。

もう20年前になるんですね。サイバーパンクですが、現代のサイバー・フィジカルを予言しているのはすごいなあと思いました。

20年前に初めて「マトリックス」を観たときは、正直ストーリー展開についていけませんでしたが、今回改めて観て(しかも2回観直して)、やっと、あ、そういうことか、というのが分かりました。

三作観て、やっぱ一番面白いのは第1作目「マトリックス」です。
当時、ワイヤーアクションの凄さが話題になりましたが、そんな手段論より、その世界観に圧倒されます。
また、絶体絶命からの逆転ストーリーも、エンターテインメント映画展開的にもすばらしい。

Wachowski 兄弟もこれでやめてれば、偉大な映画作者だったと言えるのでしょうが、3作目まで進めてしまったのは正直失敗だったと思います。
それでも「リローデッド」までは期待感があったのですが、「レボリューションズ」の混乱の結末が全て台無しにしてしまったような気がします。
結末だけじゃなくて、代名詞だったカンフーアクションから一転して、宇宙船戦争ものになってしまいました。

監督・脚本 : Lana Wachowski, Lilly Wachowski
出演 : Keanu Reeves, Laurence Fishburne, Carrie-Anne Moss


2022年2月17日木曜日

セッション Whiplash (2014)

主人公の19歳ニーマンが、人生のイニシアチブを取るまでの物語。ラスト9分19秒のための紆余曲折の道のりです。

結構な人が観てますが、全く今どきでないシゴキ、高圧、支配による育成が新鮮なんでしょうか。スポ根バリの展開と異常な緊張感が場を支配していきます。俺だったらこんなのは耐えられんでしょうね。でも、夢に向けて前しか見ていないニーマンには、これが必要な試練に見えたんでしょう。

監督の Damien Chazelle の実体験をヒントにしたストーリーなのも驚きで、こんな世界はいっぱいあるんですね。

主人公が成功を夢見る世界がジャズなのも驚きです。
今どき、なんでジャズ?
ラストの "Caravan" にしても、1935年作ですし、劇中の演奏スタイルも '40 年代のビッグ・バンドです。同じビッグ・バンドでも Gil Evans のようなモダンさはない。
しかも、主人公が憧れているのは Buddy Rich。技巧派ですが、なんで Tony Williams や Elvin Jones じゃないのか? 原題の "Whiplash" にしても正直有名曲じゃないし、'70年代の曲やし。

と、音楽的にはツッコミどころが多い本作ですが、映画的には分かりやすいいい作品だと思います。

それにしても Damien Chazelle は "La La Land""First Man" と作品ごとに全然違う作風ですね。どういったスタイルでも一流の表現ができるのはスゴイなあと思います。

監督・脚本 : Damien Chazelle
出演 : Johnny Simmons, J.K. Simmons