The Plan B Entertainment は Brad Pitt のプロダクション。本人も出てます。 Brad Pitt で印象深いのは「マネー・ボール」ですが、本作は「マネー・ボール」の原作者 Michael Lewis が書いた「世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち」"The Big Short : Inside the Doomsday Machine" の映画化になります。原題は "The Big Short" ですが、多分「マネー・ボール」にかけて「マネー・ショート」にしたんでしょうね。
”Short" は空売りのこと。債権が下がり局面の時に、買って売るのではなく、売って買う手法です。
サブプライムローン危機の時に、危機を先んじて見抜き、空売りで莫大に儲けた人たちの話です。Scion Capital、FrontPoint Partners、Brownfield Capital という3組のファンドとそのマネージャが主人公ですが、いずれも接点はありません。
MBS、CDO、CDS といった専門用語が飛び交い、3組の群像劇であることも絡まって、ストーリーを理解するのが難しい映画でした。原作は量に限度がないのでもっと分かりやすいのではないかと想像しますが、2時間の映像にまとめるというのは難度が高かったんじゃないでしょうか。 分かりやすくする工夫として、時折解説が挟まっています。女優 Margot Robbie、料理人 Tony Bourdain、歌手 Selena Gomez となんとノーベル賞受賞の行動経済学者 Richard Thaler 教授まで出演して難しい話を優しく解説してくれてます。出演者の一人 Ryan Gosling の積み木の例えを入れたのもだいぶ工夫したんでしょうね。 1回見ただけじゃ理解できなくて、間に WEB の解説見て、もう1回見てなんとなく理解できるようになりました。 それでも、Sion Capital の Michael Burry (Christian Bale) が開発した金融商品 CDS (Credit Default Swap) がなんなのかよく分かってません。
Spike Lee 真骨頂、黒人人権ものです。 重いテーマですが、適度なユーモアと適度な反骨精神をおりまぜ、さすがの出来です。
プロデューサーの Shaun Redick が Ron Stallworth の原作の映画権を買い取り、Spike Lee を監督に選んだという経緯ですので、Spike Lee が初めから撮りたかった映画という訳ではありません。 しかし、以前からの Spike Lee の映画を見てきた者として、プロデューサーはやはり Spike Lee がピッタリと思ったんでしょう。
Spike Lee は、いい映画を撮るプロの映画監督として、いい仕事をしてます。 最近 "Inside Man"、"Chi-Raq"、"Pass over"、"American Utopia" と立て続けに Spike Lee の映画を観ましたが、映像作家としての腕前にホント感心してます。意外とオーソドックスなんですね。さりげなくスタイリッシュ。
黒人とユダヤ人の警官が、KKKに潜入捜査するという、あり得ない設定の(しかし多分実話の)ストーリー。 黒人主義者の集会に潜入捜査を命じられた黒人主人公 Ron は、逆に白人至上主義者の組織への潜入捜査を試みます。そこで登場するのがユダヤ人の相棒 Flip。電話の会話は Ron が、実際に組織の人と会うのは Flip、という役割分担です。 KKKというのは反黒人であると同時に反ユダヤでもある訳で、どっちにしてもリスクだらけの捜査なんですね。そこにスリルが発生します。