2024年9月23日月曜日

テルマ&ルイーズ (1991)

Thelma & Louise

タイトルだけは知ってましたが、まさか30数年前の映画だとは。

Ridley Scott 監督で、Brad Pitt の出世作としても知られています。
Ridley Scott といえば "Alien"、"Blade Runner"、"Black Rain" の印象が強いですが、こういうヒューマン・ドラマ("プロヴァンスの贈りもの" も)や "Black Hawk Down" のような戦争モノも撮っていて、ホント名監督ですね。

"Thelma & Louise" は、女性の友人の名前、2人が主役です。特に若くもなく、一方は専業主婦という設定で、到底映画のテーマになりそうにない設定を映画にしようと思ったのがすごい。

ロード・ムービーで、人、特に女性の自立と解放が主題のように思います。
犯罪と逃亡を通して精神が解き放たれ、本当の自分を見つけていく。そう言うと硬い感じですが、犯罪と逃亡が次の犯罪を呼び、エスカレートしていく様がコミカルに描かれています。
ラスト・シーンは完全に解放されたところで、印象に残りますね。"Easy Rider" に匹敵すると思います。

アメリカ中西部が舞台で、カントリー・ロックで踊るシーン、畑の真ん中のまっすぐな道をサンダーバード・コンバーチブルで疾走するシーン、ロードサイドにポツンとある寂れたガソリンスタンド、砂漠と岩、大地の上の青い空と雲、いかにもアメリカ中西部という感じがたまりません。"Crazy Heart" にも通じるような。
英語は結構訛りが入っているらしく、確かに聞き取れません。
エンド・ロールの Glenn Frey の曲が中西部の感じに合ってます。少し Eagles マナーを意識したのかな。


  • 監督:Ridley Scott
  • 脚本:Callie Khouri
  • 出演:Susan Sarandon, Geena Davis, Harvey Keitel, Brad Pitt


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2024年9月17日火曜日

糸 (2020)

平成って31年まであったんですね。だんだん年号を使わなくなったので、分からなくなってました。
平成元年生まれの主人公たちが、紆余曲折の人生を経て、平成最後の日に再会するという物語。
平成にそれほど思い入れがないので、なんで「平成」?って思ってしまいます。
思い返してみると、平成は僕にとってもいろんなことがあった時代でした。
社会人になって2年目で、年号が変わったときは東京にいました。失恋、結婚、震災、子供が生まれて、家を買い、システム更新、SAP、Benic、工場勤務....
思えば社会人人生のほとんどがこの平成、何ですね。もうちょっと大事にしないと。

13歳の時に出会った人と、お互い存在を意識しながら20年近くの人生を生きる、という、到底共感できないシチュエーションですが、人との関わりを抜きに考えると、13歳のピュアな初心忘るべからず。時折思い出して、自分を振り返る、と読み替えれば、まぁそうかもしれんな、と思います。

「つまらない大人にはなりたくない」と。

それにしても小松菜奈の美しさが際立っています。虐待、中卒、キャバ嬢、大学、沖縄、シンガポール、事業失敗、といった壮絶な人生は、小松菜奈の風貌がかき消してしまい、現実味がなくなるほどです。

ストーリーは中島みゆきの「糸」に着想を得たようで、重要な場面で何回か出てきます。ストーリー的にはどう着想を得たのか...
どっちかというと「ファイト」の方がストーリーに組み込まれてるかもね。同じ店で、友人や恋人がカラオケで歌うシーンが2回出てきます。初めは「もっと明るい歌歌えよ」と言う主人公も、サビの部分では共感しちゃってる。
「時代」のカバーも店のBGMで流れ、中島みゆき祭りです。


  • 監督:瀬々敬久
  • 脚本:林民夫
  • 原案・企画:平野隆
  • 出演:菅田将暉、小松菜奈、斎藤工、榮倉奈々、成田凌、山本美月、倍賞美津子


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