2019年12月29日日曜日

Rogue One: A Star Wars Story (2016)

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話の展開が速く、登場人物がほぼ初見の人ばかりだったので、最初ついていけませんでした。
2回見てやっと大筋が分りました。

最初の "Star Wars" すなわち、エピソードⅣの前日譚になります。
デススターの完成と、その設計図を反乱軍が、多くの犠牲のもと手に入れるまでのストーリーです。
今回の登場人物はほぼ全て死んでしまいますが、この多大な犠牲を払って次に繋がっているのは感動的でもあります。

全体的には、初代 "Star Wars" のような痛快さや明るさはなく、ハードな戦争映画のようでもあり、少し重苦しい感じ。

もういよいよ完結ですね。
https://starwars.disney.co.jp/movie/r1.html

2019年12月15日日曜日

恋妻家宮本 (2017)

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なんだかファミレスがよく出てくるなあ、と思ってたら、原作は「ファミレス」らしい。
しかも重松清作。
原作からどれほど変わっているおか分かりませんが、実際ファミレスは舞台ではありますが、ストーリーにはあまり関係ないので、「ファミレス」というタイトルを避けて正解かもしれません。

子供が独立して夫婦の危機を迎えた50歳のカップルが、それぞれの気持ちに気づいていくという内容で、基本的には喜劇です。ハートウォーミングな結末ですが、ハッピーエンドになるんだろうな、という予定調和の中で進んでいくのが、ちょっと残念。人生はもっと哀しい。
50年生きてきたこれまでの生き方の「しこり」が急に吹き出してくる感覚は、まさにそのとおりです。50年の過去は変えられない。しかし、抗う行動で何かが変わるかもしれない、そう期待させてくれます。

この映画の肝は天海祐希でしょう。いい存在感を出しています。欲を言えば、もっと自立する女性像だとさらに良かったと思います(これは制作側の話)。

東宝 Official Page

2019年10月12日土曜日

TRUMAN (2015)

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"Truman" というのは犬の名前です。
映画の全編を通して、物言わぬ Truman がずっといて、最後にも重要な役割を担います。

映画の主題は「死」。
誰にでも来るけど、誰もが避けたいもの。生きている間にこれにどう向き合っていくのか。
死ぬ人、残る人。人の人生の間にはそれほど多く起こらないけど、人の歴史では通常起こること。
中年の親友二人の再開の4日間で起こる色々なことを通して、微妙な心情を表しています。
初めはお互いスタンスを測りかねていますが、いろんなことを通じてそれぞれ受け入れていく、そんな移ろいを丁寧に、かつコミカルな台詞回しで追っています。

心を大きく揺さぶられるドラマ性はありませんが、なんと言ったらいいんでしょう、少し心にバイブレーションを与えてくれる秀作です。

日本題の「しあわせな人生の選択」というのは少しあざとく、映画のテイストからは、やはり "Truman" の方が合ってます。

2019年2月10日日曜日

少林サッカー (2001)

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監督周星馳の出世作にして、最高傑作と言ってもいいでしょう。
とにかくバカバカしさがハンパない。
大げさな演出とCGとワイヤーアクション。ところどころに香港映画のパロディ。

一方で、夢、自信、自尊心といったところにも強く訴えかけてきます。

ときどき観て元気をもらいたくなく映画です。

2019年2月9日土曜日

祈りの幕が下りる時 (2018)

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葛飾区の女性の殺人事件が、加賀恭一郎の人生とクロスしていく、まさかの展開。秀逸なミステリーです。

テーマは親子の愛憎。

途中まで、というかクライマックスまでは、まったくどういう筋書きなのか分かりません。しかも、二十数年間の物語でもあり、キーとなるアクションも十数年前や数年前です。
よくもまあ、東野圭吾って毎回こんなことを考え抜くなあ、と感心します。

救われない感じの終わり方ではないことが救いです。

https://www.toho.co.jp/movie/lineup/inorinomaku-movie.html

2019年2月3日日曜日

Hidden Figures (2016)

"Hidden Figures" とは隠された人、隠れている数字。

ここでフィーチャされている女性たちは、まったくカッコいい!
1960年代で、女性、黒人という2つの差別要因を持ち、その差別にしなやかに、そして強い意志を持って挑んでいく姿を描いています。

その武器は数学。仕事ができる女です。
改めて「仕事」というのは全ての偏見を超越するすばらしい場だと強く思いました。実力主義、成果を出すか出さないか、が評価の基準。上司の本部長が、非白人用のトイレの看板をハンマーでぶち壊すシーンが象徴です。

ケネディ大統領の下、アメリカが上り調子だった頃の良き時代、コンピュータではなく人の計算能力が高く評価されていた、そんな時代。
ヒーローは、ジョン・グレンだったかもしれませんが、それを支えた数多くの影のヒーローにスポットライトを当てた、いいストーリーという見方もできます。

サウンドトラックには、Pharrell Williams のゴキゲンな曲や Miles の "So What” が。
いい映画だなあと思います。

http://www.foxmovies-jp.com/dreammovie/

2019年1月27日日曜日

墨攻 (2006)

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酒見賢一の小説を持っていたのですが、最後まで読んだ記憶がありません(もしかしたら読んだのかも)。映画を見れば、コパンパクとに分かるのでは、と思い見てみました。

主人公革離は、武器技術に長け、戦術、戦略に長け、不眠不休で梁城のために働く、スーパーリーダーです。初期の作戦成功により、完全に人心も掌握します。
カッコいいリーダー、こうあってほしいリーダー、って感じでしょうか。こういう心持ちで物事にあたりたいものだと思います。

ただし、小説、漫画の世界ではこれもありかと思いますが、実は僕はあまり人間味を感じません。むしろ劉邦のような、何か足りない人の方が魅力を感じてしまいます。

でも、まあ、教訓ですね。

2019年1月20日日曜日

カイジ 1(2009) & 2(2011)

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当時、「勝ち組」「負け組」という表現が流行ってたな、と思い出しました。

典型的な負け組のカイジが、人生をやり直すために向かう先がギャンブル、というところが救われませんが、ハイリスク・ハイリターンの世界は、成功すれば胸がすくのは確かです。
主人公のカイジも、ギャンブルをやっているときに、生きていることを実感します。

最後、仲間を優先し、肝心なところで全部失うのがいいところかもね。

どうしようもない二極化の世界では、一発逆転が世間的に受け入れられやすいのかもしれません。

http://www.kaiji-movie.jp/

Star Wars: The Last Jedi (2017)

レイが主人公となる新三部作の第2章。ここまでくるとジョージ・ルーカスの構想がどこまで生きているのか。

本作では、レイとルークとレンの物語、フィンの冒険、レイアとポーの戦闘の3つの物語が並行して絡み合いながら、最後大団円に向かうという構成になっており、それなりにハラハラドキドキさせられます。しかし、いかんせんキャラが弱い。
最初の3部作の、ダース・ベイダーやハン・ソロやヨーダのキャラが強烈過ぎたのか。この3部作では、レイしか印象に残りません。ただ、ハン・ソロ、チューバッカ、レイア、ルークといった最初のヒーローが再登場するという意味で、オールド・スター・ウォーズ・ファンへの感傷へは訴求しているでしょう。しかし、この2章まででハン・ソロは死に、ルークも死に、キャリー・フィッシャーも亡くなり、第3章はもつのか、と心配になります。

この40年間のスター・ウォーズの変遷を見ると、確実にハードからソフトへ、男性から女性へと空気が移り変わってきています。陰と陽の絡まり方も両極端ではなくなってきています。
どういう最終章になるのか。そもそも次が最終章かどうかも知りませんが。

2019年1月6日日曜日

君の膵臓をたべたい (2017)

早死に関係の映画を2本続けて観てしまいました。

今回の映画は青春映画。とはいえ、恋愛映画のようでそうではない。
好き、とか愛してる、とかそういうことはチラッとは出てきますが、精神的なつながり、がテーマではないでしょうか。
最後になって明かされますが、主人公の2人は互いの持っていないところを尊敬し、認め合っていたのでしょう。
そういえば、主人公の男の子と親友の恭子は、主人公の桜良に認められた孤独な同じ種類の人間なんでしょう。

男というのは基本的に孤独で、内省、内気。女は開放、人とのつながりを大切にする。生きていく中で、2つは車の両輪のようなものかもしれません。

人を認める、人との関わりから逃げない。死をはじめとする身の回りの不幸に左右されずに、毎日を、この瞬間を生きる。主人公の笑顔から学びました。

それにしても、「世界の中心で、愛をさけぶ」と共通項の多い映画だなと思いました。

http://kimisui.jp/

ボクの妻と結婚してください。 (2016)

すい臓がんで余命数か月と診断された放送作家が、妻の再婚相手を探すという荒唐無稽なストーリー。
正直あまり共感はしませんでした。そんなこと、残された家族は望まんでしょう。

ただ、この映画の主題はヘンテコなストーリー展開ではなく、家族の絆だと思います。主人公の結婚観、お互いを思いやり感謝する心、そして家族に笑顔をもたらすことの大切さ。
放送作家というのは世の中のあらゆるものを「楽しい」に変える仕事と主人公は言い、夫も妻も、ピンチの時でも笑顔で対応していく姿が印象的でした。

https://www.toho.co.jp/movie/lineup/bokutsuma-movie.html