2016年4月24日日曜日

The Way Way Back (2013)

タイトルは、映画の冒頭とラストで主人公の少年が車に後ろ向きで座っていることを指すのか、帰り道までのさまざまなできごとを指すのか。

根暗の14才の少年が、プール・パークでのバイトと働く人たちとの交流を通じて、心を開放して行く物語。

基本的には、"Catcher in the rye"です。
リゾート地の浮かれた大人たちの世界は我慢ならない。母親も別の世界に行きそうで不安、どこにも自分の居場所がない。ナイーヴ。
プール・パークの冗談ばかり言うおかしな友達オーウェンは、自分を認めてくれ、”You gotta go your own way. And you are going your own way."と言ってくれます。
家から自転車で外に出るときのBGMが、いつも軽快なのが印象的です。

バカンスはいつまでも続きませんが、帰るときには何かを得て成長した少年の姿があり、ラストは少しだけハッピーな気分になれる、青春の香りのするコメディです。

プール・パークでの送別パーティの音楽に"Sneakin' Sally Thru The Alley"が使われているのが気に入りました。


2016年4月16日土曜日

桜、ふたたびの加奈子 (2013)

小学校入学の日に交通事故で娘を亡くした夫婦の物語。

生命の循環、リインカネーションを主題にしていることから、映像に円環が多用されているようです。確かに。それに心理状態の不安定さを演出するカメラワーク、不安を掻き立てる音楽。

そして、この夫婦の物語に出口はあるのか。子どもの死と向かい合うなんて、胸が苦しすぎるシチュエーションです。時間が解決する、ということかと思っていましたが、そういうわけでもなく、胸のモヤモヤが晴れないまま。

原作がソフト・ホラーかミステリーのようなので、幽霊、転生、そういったテイストで見るのがいいかもしれません。


2016年4月3日日曜日

Star Wars : The Force Awakens (2015)

ストーリー自体は、いたって陳腐なものですが、昔から観ている人はたまらんでしょうね。
白髪のハン・ソロや、年とったレイア姫が出てくるんですから。
今作は家族の絆を中心に、やはり勧善懲悪が軸です。
"May The Force Be With You"

上京ものがたり (2013)

北野きい主演の青春ムービー。

貧しい家庭から東京の美大に進学した主人公ですが、東京の街に飲み込まれていきます。
さらに、出てくる人たちが全てダメな方向へスパイラル・ダウンして行きます。
英語の副題の"Tokyo Looser"の方がピッタリ来るような内容です。
「夢」を追いかけて、といった風に書かれることが多いようですが、僕はそうは思いませんでした。

むしろ、今の状況を何とかしたいと、必死にもがいているうちに、出口が見えてきた、という生き様が主題ではないかと思います。
登場人物たちが言う「生き続ける」「描き続ける」、というセリフが後になって去来します。

Looserたちの生き様、それは僕たちの物語でもあります。