
主人公の2人のイギリス人が金メダルを取った他、ケンブリッジ大学のメンバーが活躍したようです。
イギリスすごいやん的ナショナル映画のようにも捉えることができます。「トップガン」みたいに。
舞台は1920年代初頭、ということで第一次世界大戦が終わったばかり。
イギリスは閉鎖的社会で、主人公の一人エイブラハムスはユダヤ人であることに悩んでいます。
民族的にも宗教的にも排他的な社会だったんですね。
もう一人の主人公リデルはスコットランド人で、キリスト教の伝導の道を目指しており、日曜日の競技を拒むなど宗教位忠実な人物。中世的意識がまだ多く蔓延っていたのが分かります。
ケンブリッジ大学では、プロのコーチを雇うなどけしからん、といったアマチュアリズムが堅牢で、なんとも生きづらい感じがします。
そう思うと、この時代の生きづらさは今の時代の別の生きづらさと大して変わらんのでは、とも思えてきます。
そういった生きづらい世の中でも、精一杯自分の生を生きようとする人たちの姿を描いているのかな。
"Chariots of Fire" というのは、映画の最後に教会で歌われている "Jerusalem" (エルサレム)の中の一節で、William Blake が作った詩の一部のようです。"Jerusalem" はいくつかのスポーツでイギリスの国家的に扱われている曲で、イギリス万歳的意味を与えたかったんでしょうね。
「炎のランナー」といえば Vangelis のサウンドトラックが超有名。主題曲 "Titles" はインストでありながらビルボードの1位となっています。
シンセサイザーによる音色とメロディが素晴らしい。ちなみにシンセはヤマハCS-80だそうです。
- 監督:Hugh Hudson
- 脚本:Colin Welland
- 出演:Ben Cross, Ian Charleson, Ian Holm, Alice Krige
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