2018年2月18日日曜日

The Beatles EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years (2016)

ビートルズの活動を、「ライブツアー」に焦点を当てたドキュメンタリー。

63年のイギリスでの成功の後、64年のアメリカツアーを経て、ビートルズは「現象」になります。
やがて十分なPAシステムのない中、観衆を納めるためスタジアムツアーという形式に。驚くことに、演奏者が演奏の音が聞こえないため、リンゴ・スターは、ジョンやポールの頭や腰の動きを見てリズムを取っていたと言います。
誰も自分たちの音楽を聴いていない状況に嫌気がさし、66年を最後にツアーに出るのをやめます。リバプール、ハンブルクを経て、ライブの実力はすごいものがあったでしょうに。

しかし、それが彼らをスタジオに専念させ、"Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band" のような傑作に結実していくですから、分からないものです。

そして、最後のルーフトップ。なんとも楽しそうに演奏しているのは、やはりライブが好きだったんだなあ、と感じさせられました。

普通の若者が、上に上にと成功を夢見て、成功をつかみ、そして自分たちが作った「現象」にうんざりしながらも、成長していく姿には心動かされます。

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2018年2月11日日曜日

君の名は。(2016)

言わずと知れた、新海誠監督のおととしの大ヒット映画。

「転校生」で古典的な、入れ替わりのリメイク、かと思いきや、中盤からの彗星衝突で一気にストーリーが展開します。
時間を遡り、村の運命を変える役割に気づく主人公。

日本の田舎や伝統へのリスペクトと、美しいバックの風景が特徴となっていますが、その世界観が多くの人を魅了しているところかもしれません。
青い空と白い雲、都会の風景。
自販機の缶の落ち方や、鉛筆で線を描くときのリアルさが、アニメもここまで来たか、と思わせました。

2018年1月28日日曜日

INDOCHINE ―インドシナ― (1992)

ベトナム独立の動乱の中で、人生を大きく蛇行させられ、翻弄された女性とその家族の物語です。

娘への愛、共産主義の台頭、反植民地運動、中年女性と娘の恋愛、搾取と殺人と捜査、そういったものが輻輳して物語が展開していきます。

母から離れる娘は、まさにフランスの植民地から独立しようとするベトナムそのものでしょう。ゴム農園を切り盛りする強い女である母は、搾取者フランスそのものでもあります。
そう考えると、娘を独立に駆り立てたフランス海軍士官は、フランスの自由と平等の精神の象徴だったのかもしれません。娘の婚約者は、フランス留学で共産主義を自国に持ち込みます。

植民地インドシナで生まれ育った主人公にとって、古き良きインドシナは、孫と彼女の心の中にしか残っていません。

2017年12月16日土曜日

清須会議 (2013)

天正十年の本能寺の変は日本史上の一大事件だったと思います。
その後の織田家跡目相続と領地配分を、戦闘ではなく「話し合い=評定」で決めようというのが面白いところです。

主役は柴田勝家と羽柴秀吉。だが、この映画で印象に残るのは、秀吉の人を引きつける底の抜けた明るさと、武家の枠組みを意に介さない自由さと、新しい世の中を背負っていこうという覚悟です。小学生の時に読んだマンガ日本の歴史の、神輿に乗って大阪の街に金銀をばらまく絵が思い出されます。
旧時代を否定して新しい時代を指向した信長の後継としては、確かに最適だったのかもしれません。

藤吉郎、権六、五郎左、恒興、犬千代、お市などのすべてのキャラが立っていて、三谷幸喜節ここにありといったところでしょうか。

最後はやはり秀吉の覚悟と未来に向かう明るさに勇気づけられます。

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2017年11月11日土曜日

オーバー・フェンス (2016)

どうしょうもない人生。うまく生きられない人たち。
それでも人と人とが惹かれ合い、生きていく。
これは自分の物語だと思わせます。

主人公は職業訓練校に通うバツイチ40男。妻をダメにした呵責からか、人生を見失って、ただ毎日を生きている。ちょっとおかしなホステスと出会い、ぶつかり合い、少し心を開いていく。
元やくざ、元営業、元大学生、建築科には、人生をやり直したい人たちが集まっている。

最後のシーンはソフトボール大会。
オーバー・フェンスは、ホームランのことであり、人と人との垣根を超えることであり、どうしようもない境遇から抜け出したい、という気持ちでもある。

蒼井優の演技が素晴らしい。いつの間にこんな演技派になったのか。

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2017年4月9日日曜日

エイプリルフールズ (2015)

"リーガルハイ"の脚本古沢良太と演出石川淳一のコンビが、脚本と監督でタッグを組んだエンタテインメント。

4月1日の一日を通じて、7つのウソとウソによるドラマが繰り広げられます。
深刻なウソもあれば、ウソによって人が幸せになることもある。ウソか真実かが問題なんじゃなく、信じることが一番重要、というメッセージ。

宇宙人を待っている少年に、インターネット上でそそのかしたHPが言います。
「そこの少年、現実に立ち向かえ。その気になればたいていの現実は変えられる」
ホントかな?

やはり基本的にコメディが好きです。

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2017年3月5日日曜日

Interstellar (2014)

"Inter" は「間」、"Stellar" は「星」。星間の移動についてのSF映画です。
何の前情報もなく、油断して観てしまいましたが、ストーリー自体が難解で、解説が必要でした。

相対性理論、重力場、ワームホール、5次元の世界、ブラックホール(の特異点)、量子力学等、現代の宇宙物理学をふんだんに盛り込んでストーリーを構成しているところは感心します。
人間という有機物体が、ブラックホールやワームホールを抜け、5次元の世界に迷い込むのは現実的とは思えませんが。

映像的には、"2001年宇宙の旅"の映像表現を踏襲しているようにも思えますが、ブラックホールや5次元世界の描き方などは苦労したんでしょうね。
キューブリックの映画と違い、コンピュータ(機械)が人間フレンドリーに描かれているところはほっとします。

思えば、地球のような星は、他にもあるのか?今日、日向ぼっこをしながらふと思いました。
少なくとも、太陽系で文明を生んだ生命がいるのは地球だけのようです。
太陽からの距離が適当でしかも円軌道で公転している。水と大気を持ち、月という潮汐の元となる衛星がある。しかも太陽自体が絶妙な大きさで寿命が長い。同じような星は銀河系で十数個らしい.....
もし、この宇宙に文明を持つ生命体がいる星が地球だけだとしたら。その生命というものの意味は何なんでしょうか?
自分で考えることのできる生命体であるがゆえに、主観的に生命を捉えていますが、有機生命とは違う種類の何らかの意思のあるものが他にも誕生しているのかも。
アドラーは、究極的には人生は意味のないものだと言ったようですが、大きな宇宙から見ると、確かにそうです。
人間という種の中で、人間関係に悩み、人生の意味を考える。ちっぽけな悩みを抱えながら、80年という一瞬をただ生きる、それが本質なのかもしれません。