なにせ Dustin Hoffman の演技がすごい!この映画の成功は Dustin Hoffman の演技の出来でしょう。
Dustin Hoffman 演じる兄のレイモンドは文字や数字を覚える、計算することにかけては天才的ですが、日常常識には興味がなく、同じ数字でも日用品の値段は分からない。人とのコミュニケーションは苦手で、ほとんど会話が成り立たない。
こちら側が言っていることにちゃんと反応してくれないところなんかは、うちの犬を思い出しました。
言うことを聞かせようと思っても、もちろん思った通りに動きませんし、こうして欲しいと思ってもまったく関係ありませんしね。
一方で弟の Tom Cruise 演じるチャーリーは、人を利用する、人を自分の思った通りに動かしたいタイプ。
まったく兄との対比が効いてます。
ずっと見ているとチャーリーの方が異常に思えてきます。正直やなやつです。
ほとほと兄に手を焼いていたチャーリーですが、カジノで兄の才能を「利用」して一儲けしたことをきっかけに、兄との距離を縮めていき、徐々に兄の、思う通りにならない行動を受け入れていくようになります。
そういう意味ではこれはチャーリーの再生の物語なんですね。兄は何も変わってませんから。
人を利用しようとしてないか、思い通りに動かそうとしていないか、自省させられる内容でした。
- 監督:Barry Levinson
- 原作:Barry Morrow
- 脚本:Ron Bass
- 出演:Dustin Hoffman, Tom Cruise, Valeria Golino