2020年9月9日水曜日

ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 Darkest Hour (2017)

ウィンストン・チャーチル / ヒトラーから世界を救った男

ウィンストン・チャーチルの首相就任後1ヶ月の苦悩を描いた映画です。

チャーチルは電車にも乗ったことのない貴族であり、演説の得意な自信家であり、ドランカーであり、主戦派として描かれていて、事実そうだったと思われます。

首相就任の最初の演説は、自らの保守党から総スカン。保守党は、チャンバレンとハリファクスによる宥和派が主流だったからです。

ナチス・ドイツがベルギー、フランスへ進攻する中、いよいよ次はイギリスという状況になりつつあり、流石のチャーチルも、ドイツとの和平交渉へ動くかどうかを深く悩みます。

暗闇の部屋へ訪れたのは、ジョージ6世。気に食わないチャーチルに賛同します。そして市民の声を聞くようアドバイスします。市民の声に後押しを受けて、チャーチルは演説に臨みます。

政治家として1つ成長した、というストーリーかと思います。


ここでイギリスが踏ん張らなかったら、という意味で、チャーチルは自由主義陣営の英雄のごとく扱われます。宥和論の中で一人主戦論を張り、全体主義と戦った、と。

しかし、これこそ「勝てば官軍」ではないかと思ったりします。

日本も八紘一宇の理想を掲げて戦争をしました。僕が一番バカだと思うのは、パールハーバーを攻撃してから1年半後にはミッドウェーでターニングポイントを迎えておきながら、そのままま3年も戦争を続けた戦争指導者の無能さです。最後には本土玉砕を掲げて、市民を巻き添えにしていきます。

しかし、これはチャーチルと何が違うのか。チャーチルの勇気はかいますが、冷静さを欠いた判断だったかもしれません。多くの市民の犠牲を払いました。アメリカが参戦しなければ難しい局面に立たされていたでしょう。パールハーバーを一番喜んだのはチャーチルだったかもしれません。

歴史は勝者によって正当化されます。

日本は敗者になることによって、否が応でも反省することになりますが、おそらく勝者には反省はないでしょう。

Director: Joe Wright
Writer: Anthony McCarten
Cast: Gary Oldman, Lily James, Kristin Scott Thomas


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