2015年12月27日日曜日

私をスキーに連れてって3部作

"私をスキーに連れてって (1987)"

なんでしょうね、この時代感。
パソコンのないデスク、ダブルタックのパンツ、セリカ、ロシニョール、カールスバーグ、ロッジ、プリンスホテル...
映画を使って流行を生み出した、とも言えるし、広告代理店的にやられた、とも言えます。

浮ついた時代でしたねぇ。しかも僕もまったくこの時代に生きてました。
もっとも若さはもともと浮ついたものなのかもしれません。

"彼女が水着に着替えたら (1989)"

前作よりはちょっと原田知世がアカ抜けているのが救いです。
前作よりさらにバブルですよね。
船上パーティー、そこから女の子を奪い取るゲーム、それを楽しむ女の子。
ここにはまともな生活はないのか!
唯一まともだと思われた主人公たちも、結局は宝探しゲームに迷い込んで行きます。
時代を感じたのは、織田裕二の煙草に原田知世がオイルライターで火をつけるシーン。ないよね、今は。

"波の数だけ抱きしめて (1991)"

スキー、ダイビングときて、今度はサーフィンかと思いきや、主題はFM(音楽)です。
Ned Doheny, J. D. Souther, Bertie Higgins, TOTO、ディスコのシーンではGeorge Dukeの"Shine On"。
ソフトロック、当時日本でAORと呼ばれていた曲満載です。
今となっては懐かしい機材のオンパレードなのも特徴でしょうか。
カセットテープ、ターンテーブル、SHUREのカートリッジ(重しに1円玉置いてました)。VUメータもいろんなオーディオ機器についてましたよね。
ストーリーがほとんどないのに、イメージとディテイルのこだわりだけで映画作るって、って感じです。

2015年10月25日日曜日

Yes Man -"YES"は人生のパスワード- (2008)

現状がネガティブな状態にどっぷりつかっていると、ポジティブを欲しがるんでしょうね。今の僕の心に刺さりました。

"Live your life"ということなんですが、それが、さまざまな選択肢において"Yes"を選択することで人生が開けるというもの。いろんなことに挑戦して、いろんな人と出会い、明るく生きる。気持ちを切り替えて、行動を変える。

このポジティブさは、アメリカ人らしいですね。
でも、この映画を見るだけで、気持ちが楽になります。

オノ・ヨーコの個展で、梯子を上ったジョン・レノンが天井に見たものは、"YES"の文字だったという話を思い出しました。

2015年10月12日月曜日

Rocky / Written by Sylvester Stallone (1976)

この物語がスタローンの人生だからこそ、いい映画になったんだろうと思います。

小学校の頃は、スポ根全盛だったので、単なるスポ根だと思っていたのですが、改めて観るとダメな人生の再生物語ですよね。アメリカンドリームの追求ではなく、アメリカンドリームとの戦い、アポロはアメリカンドリームの象徴、ロッキーはアメリカンドリームからの落ちこぼれ。

試合の前日、ロッキーはエイドリアンに言います。
"I was nobody."
"If that bell rings,  and I’m still standin’, I’m gonna know for the first time in my life that I weren’t just another bum from the neighborhood."
それが彼の戦う理由、自分のために戦おうとしてたんですね。だから、試合の勝ち負けは関係なかったのです。

Trailer


2015年10月11日日曜日

Little Miss Sunshine (2006)

アメリカからの帰りの飛行機で見ました。
なぜかロードムービーって好きですね。
  • 負け犬の方が人生深くてええんじゃないの
  • 家族ってええよね
というのを感じました。
コメディですが、登場人物たちは、いずれもWin or Looseの中で、いろんなタイミングでLooserになっていきます。Winを目指していたときは余裕がなくて、あまりいい感じの人じゃないんですが、Looserになってからは、人のことを思いやれる心の寛い人になっていくという対比があり、アメリカ社会への風刺精神が感じられます。一方で、Winnerになろうと一生懸命になっている人を応援する姿勢もあり、アメリカの価値観はしっかりキープされてるなあと思いました。
口を利かない長男の書いたメモはいくつかあるのですが、その中で一番気に入っているのは"Go Hug Mom"、悲しんでいる母親を前に、妹に向けたメモです。次に長男が落ち込んだ時に、妹にハグされ持ち直すというシーンの伏線になっています。
ラストのダンスシーンの音楽は、Rick Jamesの"Super Freak"。MC Hammerのサンプリングでも有名ですが、ジャンキーのクソじいさんの選曲とダンスはブッ飛んでて最高です。
Foxjapan Official


2015年9月26日土曜日

天国の口、終りの楽園。Y tu mamá también (2001)

性欲のことしか頭にない能天気な若者2人と人妻が"天国の口"という架空のビーチに向けて旅するメキシカン・ロードムービー。

天国の口は彼ら2人の大人への入り口だったのか。

それにしても後味が非常に重くどんよりしている。生の象徴である若さと性が、死を浮き上がらせる。
もっと"生"を真剣に、そして一生懸命生きないと、流されながらも。







2015年9月22日火曜日

AKIRA / 大友克洋 監督 (1988)

実はアニメーションのものは今回初めて見ました。
学生の頃は好きだったなあ。
"気分はもう戦争"で初めて大友克洋を知って、"さよならにっぽん”、"ショート・ピース"、"ハイウェイスター”、"童夢"と、ほとんど読みました。
彼が漫画に与えた影響は測り知れません。

"AKIRA"は核の寓意かもしれないし、戦後の現代日本を揶揄しているのかもしれません。
一方で、人間の限りない能力の可能性も示しています。人は一人ひとりかけがえのない能力を持っていて、それを活かしていくことが大切だ、ということも言っているように感じます。

それにしても、舞台が2019年東京オリンピック前夜というのがいけてます。予知能力があるのか。

2026/1/11 追記
再度観ました。
今度は改めて漫画全巻再読直後になります。
劇場版では漫画とストーリーが大きく異なっていることに改めて気づきました。
似たような感じではあるものの、漫画のシチュエーションを下敷きに、エッセンスや世界観はそのままでアナザー・ストーリーを組み立てた、という感じでしょうか。
確か1988年のこの時代は漫画も同時進行で、まだ5分の3位だったんじゃないかな。
おかげで漫画の進行が中断していたような。
アニメでは、大友克洋の絵の世界をどれだけアニメで再現できるか、という挑戦のように感じました。ある程度は成功、ただし改善の余地あり、というところでしょうか。
元々大友克洋の漫画自体が映画のシーンのコマ割りでの再現をイメージしているものなので、アニメへのフィードバックでもあるのが面白いところです。
意外と色調が濃いと感じるのは、現代のアニメの色調がそれだけリアルなのか、意図的に濃くしているからなのか。サイバーパンクの走りの、ブレードランナー的な色調を意識しているのかもしれません。

  • 原作・監督:大友克洋
  • 脚本:大友克洋、橋本以蔵
  • 作画監督:なかむらたかし
  • 作画監督補:森本晃司
  • アニメーター:金田伊功、福島敦子、井上俊之、沖浦啓之、木上益治他
  • 音楽:芸能山城組


2015年8月20日木曜日

時をかける少女 (2006)

青春のはかない「時間」をすばらしく切り取っています。

「時間」は本当は逆戻りしない、大切なものです。特に青春時代は。

時を超越して成長する物語。


(2026年1月追記)

何年ぶりだろう、久しぶりに観ました。
この後細田守監督の映画はいくつか観ましたが、改めてこの映画が最高傑作だと思いました。

タイムリープの映像効果は、その後の場面でもよく出てくるものの初期バージョンですが、何よりも人物表現が独特です。

原画でリアルに表現することもできたはずですが、あえて荒く簡潔に描き、陰影をつけずに単色で人物を表現する、というのはユニークすぎます。
浮世絵の再現でしょうか。
そのラフさが、ストーリーのはかなさと合っているので、狙ってるんでしょうね。すごい。

仲里依紗と石田卓也の声がバッチリ。
「帰らなきゃいけなかったのに、いつの間にか夏になった。おまえらと一緒にいるのが、あんまり楽しくてさ」
というセリフが泣かせます。

  • 監督:細田守
  • 脚本:奥寺佐渡子
  • アニメーション制作:マッドハウス
  • 声:仲里依紗、石田卓也、板倉光隆