Where the Crawdads Sing
ザリガニは鳴きません。ザリガニ鳴き声(Sing)が聞こえるような、湿地帯の奥深く、ということでしょうか。
ノースカロライナの湿地で暮らす、家族に見捨てられた一人の少女。
人との繋がりはほとんどなく、街の人からは「湿地の娘」と蔑まれます。
人と関わらずとも、自然が友達であり、先生であり、保護者でもある、という特殊な環境。
それでも二つの恋をし、気にかけてくれる人に助けられ、湿地の自然の本を出版することも叶いました。
そこに起きる、恋人の変死。映画はそこから始まり、法廷劇を通じて彼女の半生が振り返られます。
彼女に偏見を持つ街の人が捌かれるべきと主張する弁護士の弁護もあり、無罪を勝ち取り、幸せな後半生を送ります。
暴力を振るう父と重なる暴力を振るう恋人。
ザリガニの鳴く湿地帯は彼女自身であり、その自然から学んだ知恵。そこに迷い込んだ恋人。
衝撃のラストを迎えます。
ミステリーなのか、ラブストーリーなのか、自然小説なのか、いまひとつはっきりしないところが魅力なのかもしれません。
非常に特殊な環境の主人公だけに、共感しづらいことこの上ないのですが、孤独という意味では現代に生きる私たちを描いているのかもしれません。
原作は、同名の2018年のベストセラー小説、作者の Delia Owens は動物学者で、70歳の時に出した処女作が本作だそうです。これも驚き。
- Daisy Edgar-Jones as Catherine "Kya" Clark
- Taylor John Smith as Tate Walker
- Harris Dickinson as Chase Andrews
- David Strathairn as Tom Milton
- Michael Hyatt as Mabel Madison
- Directed by Olivia Newman
- Screenplay by Lucy Alibar
https://www.sonypictures.jp/he/11155000
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