でも、おもしろい映画でした。
銀行強盗ものですが、防御線を超える知的なトリックなし、アクションなし、カーチェイスなし、発砲なし、という、異色のストーリーだと思います。
サスペンス・エンターテインメントですが、最終的には社会派人間ドラマだということが分かります。
銀行強盗が最後に選んだのは、警察の交渉人との結託、というか信用関係なのがおもしろいですね。現代のロビン・フッドなんかな。
いい味を出しているのが曲者の弁護士。銀行会長に雇われて犯人との交渉をしますが、次第に会長の過去の戦争犯罪に気づいていく。でもちゃんとギブ&テイク。Jodie Foster の演技が素晴らしい!
全員なんかの正義感を持ってますが、全員それだけじゃないところがちょっとした深みを出してるんでしょうね。
当初 Ron Howard が監督候補だったということですが、彼が監督しててもそれはそれでいいエンターテインメントになっていたでしょう。
結局、主人公の市警フレージャーは、昇進と強盗から「贈られた」ダイヤを手にしてハッピーエンディング。このあたりの演出は Spike Lee 監督らしさ、ということかもしれません。
音楽は、Spike Lee の盟友 Terence Blanchard。いい感じです。
- 監督:Spike Lee
- 脚本:Russell Gewirtz
- 出演:Denzel Washington (as Detective Keith Frazier), Clive Owen (as Bank robber Dalton Russell), Jodie Foster (as high-power broker Madeline White), Christopher Plummer (as The bank president Arthur Case), Willem Dafoe (as Police captain John Darius), Chiwetel Ejiofo (as as Detective Bill Mitchell)
- 音楽:Terence Blanchard