2021年1月31日日曜日

My Fair Lady (1964)

僕の生まれる前やん。
あんな時代に、こんな映画を作れるアメリカは、確かにあこがれの対象だったんやろね。カラフルな映像にウィットの効いた会話、上流階級の暮らし(アメリカじゃなく英国が舞台ですが)。

ミュージカル、なんかハッピーな気分になります。ディズニーっぽい。
途中に小休止があるほど長いのですが、正直歌部分が長い。ミュージカルやからしょうがないんですが、しかしなんでアメリカ人はこんなにミュージカルが好きなんやろ。共感できんのですが、日本人も歌舞伎好きなんで、あいこですか。

男と女のものごとの捉え方の違いをコミカルに描いてますが、男と女以外にも、富裕と貧乏、自由と不自由なんかの対比がおもしろく表現されています。

ちなみに、ピグマリオン効果の例でこの映画が出てくるのですが、ほぼピグマリオン効果は出てこず、イライザのセリフのほんの一節だけでした。

I shall always be a common flower girl to Professor Higgins, because he always treats me like a common flower girl, and always will.

But I know that I shall always be a lady to Colonel Pickering, because he always treats me like a lady, and always will.


  • Directed by George Cukor
  • Cast: Audrey Hepburn, Rex Harrison, Stanley Holloway, Wilfrid Hyde-White


2021年1月30日土曜日

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン (2007)

リリー・フランキーと母親の思い出を綴った自伝エッセーの映画化です。

母親が死んだ後に本人が書いてますので、かなり主観が入っていると思いますが、本当だとしたら(本当でしょうが)、これこそ親孝行やなと思います。
ダメだと分かりながら親に甘えて生きている子供と、子供愛することに生きる母親。

母親が病気になったことを契機に、東京に呼び寄せて一緒に暮らします。これってなかなかできんけど、これだけで母親は幸せでしょうね。
親が元気なうちに親孝行せなな、と思います。

母親の思い出が、明るい人であるのも考えさせられます。あくまで主観でしょうが。でも、明るいことって大事やな、と改めて思います。
先日久しぶりに見た旧友の笑顔が印象に残ってるかもしれません。

映画的には、昭和の世界の再現が素晴らしいです。リリー・フランキーは1963年生まれなので、僕よりちょっと年上のほぼ同年代。昭和40年代~50年代の僕の記憶も、こんなくぐもった映像です。北九州の方が都会でしょうが、四国の田舎も逃げ出したくなるようなものでした。

監督:松岡錠司
脚本:松尾スズキ
出演:オダギリジョー、樹木希林、内田也哉子、小林薫、松たか子


2021年1月4日月曜日

Unforgiven (1992)

Clint Eastwood の評価を決定づけた西部劇、日本題は「許されざる者」。

生活の苦しさから賞金のために殺しをやる主人公と、町の治安維持のためには手段を選ばない保安官との対決を描いています。

主人公が正しいとも保安官が正しいとも言えない、なんだか不思議な後味の映画です。

昔の悪事から手を洗ってまっとうな生活をしているのに、金のために殺人を請け負うというのはどうなのか。娼婦の顔に傷をつけただけで殺されなければならないのか。犯人の行方を知るために仲間を拷問で殺してさらし首にするのはどうなのか。そもそも娼婦の顔に傷をつけるのは許されることなのか。

だいたい何のために対決するのか希薄な中での、人と人との対決が本当に気持ち悪い。

ただ、ハードボイルドであることは間違いありません。

Director: Clint Eastwood
Writer: David Webb Peoples
Stars: Clint Eastwood, Gene Hackman, Morgan Freeman