2020年2月22日土曜日

The Killing Fields (1984)

久々に見ましたが、なんとなく覚えていたストーリーとだいぶ違っていました。最後の "IMAGINE" がもっと大きなサウンドで、大きくクローズアップされていたような印象があったのですが。

映画は大きく2部に分かれ、クメール・ルージュが政権を取るまでの、米国新聞記者の取材とカンボジアからの脱出まで、それと友人のカンボジア人新聞記者がポル・ポト政権によって強制労働させられ、隣国に脱出するまでの構成になっています。
いずれも緊張と恐怖が支配し、Mike Oldfield のサウンド・トラックがさらにその緊張感を増す効果を出しています。

ちなみに、キリング・フィールドとは「処刑場」。ポル・ポト政権の国民虐殺の場のことです。
原始社会を理想とする極端な共産政策で、国民の1/5を殺したと言われるポル・ポト政権下の75年から79年。その3〜4年間こそが、キリング・フィールドでの大量虐殺が行われた時期で、映画の2部目にあたります。その実態のごく一部しか表現していないと辛く評価する人もいます。それほど凄惨な社会実験と密告社会だったのでしょう。

ヒトラー、スターリン、毛沢東、ポル・ポト。猜疑心と理想を追い求める姿と改革。これらは親和性が強いんでしょうね。規模こそ小さいですが、どこの改革の場にも存在することを肝に銘じなければなりません。

2020年2月8日土曜日

学校 (1993)

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今、こんなものがあるのかどうか分かりませんが、夜間中学の話です。

先生は、生徒を人生の先輩と言い、生徒は自ら学びたいと学校に来る。
高校じゃなくて、大人になって中学で学ぶって、よっぽどの人生です。
以前、勤め先の近くの夜間高校の卒業式に行ったことがありますが、近いものを感じました。

かといって、過度にお涙ちょうだいではなく、比較的淡々と進んでいくところに山田監督の技を見ることができます。主人公の先生だって、ものすごくいいことを言うわけではないですし、愛情が熱すぎるわけでもありません。

味わい深い映画です。