![IMDB](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/M/MV5BMjE4MzgxNzUxOV5BMl5BanBnXkFtZTgwMzQwOTIwOTE@._V1_SY1000_CR0,0,738,1000_AL_.jpg)
娘への愛、共産主義の台頭、反植民地運動、中年女性と娘の恋愛、搾取と殺人と捜査、そういったものが輻輳して物語が展開していきます。
母から離れる娘は、まさにフランスの植民地から独立しようとするベトナムそのものでしょう。ゴム農園を切り盛りする強い女である母は、搾取者フランスそのものでもあります。
そう考えると、娘を独立に駆り立てたフランス海軍士官は、フランスの自由と平等の精神の象徴だったのかもしれません。娘の婚約者は、フランス留学で共産主義を自国に持ち込みます。
植民地インドシナで生まれ育った主人公にとって、古き良きインドシナは、孫と彼女の心の中にしか残っていません。