2016年5月6日金曜日

As Cool as I Am (2013)

一見幸せな家族が壊れていき、バラバラになるまでのストーリー。
特に悲惨な感じはなく、どうしようもないよな、アメリカってこんなことよくあるんやろな、てな感じです。

まあ、それにしても冴えない田舎町ですね。アメリカにもこんなとこあるんですね。大自然あふれるアメリカでもなく、大都会のアメリカでもなく。
両親もこの町で出会い、この町で子どもを産み、主人公の恋人も幼馴染。
狭い空間で完結する人生から、おそらくみんなが出て行くんでしょうね。

それにしても、シチュエーションも筋書きも俳優もすべてイマイチ。そこを狙ってたらすごい。


Havoc (2005)

金持ちのお譲さまが、退屈から刺激を求めてダウンタウンに行き、そのことが殺人事件に発展するというストーリー。

大都会LAの高校生って乱れてるのね。
いきなりの暴力シーンでいやな感じしましたが、そのテイストがずっと続きます。

ただ、ヒスパニックのチンピラのところに行ったときは、もっとバイオレンスになるのかと思いましたが、それほどひどいことにならず、ほっとしましたが、映画としてはどうなのかと。

寂しさと退屈からの火遊びの心の闇と、友情を大切にする心。残念ながらただそれだけか。


2016年5月3日火曜日

Crazy Heart (2009)

ブルーズ色の強いカントリー・ミュージックと、乾いた平原とハイウェイ、美しい空と雲、ウィスキーとカウボーイ・スタイル、なんとも気持ちのよい映画です。

主人公の落ちぶれたカントリー・シンガーは、アル中で57歳の老いぼれ、町から町へとドサ周りの巡業、ウェストコーストのある町で出会った親子と恋に落ち、それをきっかけに人生を再生していくという物語です。

ストーリー的には劇的に驚くようなこともなく、この映画がなぜアカデミー賞を取ったのかはよく分かりません。しかし、映像と音楽、空気感と暖かい人間模様が、映画全体の統一感のある雰囲気を作っています。

ラストシーンの空の美しさは圧巻です。


2016年5月2日月曜日

永遠の0 (2013)

原作の小説を読んでいない私ですが、強く心を揺さぶられる映画でした。

戦争を舞台にし愛を主題にしたヒューマンドラマです。コピーに「その祈りが、いま、時を超えるー壮大な愛の物語。」とありますが、よく表わしています。

まず、これはフィクションだということを忘れてはいけません。これが、当時の太平洋戦争の実態だと思いこまないことです。
その上で、主人公の家族のために命を大切にする姿勢に、最初は少し違和感を感じました。これは、戦後数十年経ったアメリカ的あるいはキリスト教的な思想からの現代発想ではないか、と思えたからです。
しかし、よく考えてみると彼の言っていることは正しく、戦争とは生き残り、敵を殲滅することが勝利なのですから、ごく正常な発想のはずです。確かに死を覚悟しないと戦闘はできませんが、生き残る努力のない「特攻」のような戦いは作戦ではありません。
現に、多くの勇敢で優秀な人たちが真っ先に死んでいってしまったことは、日本にとって大きな損失だったでしょう。(なぜそういう人たちが死ななければならなかったのか)

さらに、これは、主人公に「生かされた」人たちの物語でもあります。人に影響を与えようと思っていたわけではなく、その生き方が、それぞれの人たちの戦後の生き方に影響を与えています。「誰かに生かされている」という感覚は、実は僕には分かりませんが、存外一番大切な感覚かもしれません。
一方で家族や人を「生かす」姿勢を貫く主人公の生き方自体もすごいことだと思います。こんな人が実際にいるのかどうか分かりませんが、自分もできるのものであれば、このような生き方を試みてみたいとも思います。

永遠の0とは、ゼロ戦で散った主人公の思いが、生き残った人たちや子どもたちを通じて生き残り、後世に語り継がれるという意味でもあります。僕が生まれたのは戦後20年、今から思えばついこの前のはずですが、既に戦争は遠い昔のことのようでした。

なお、戦闘機や被曝する空母の再現、美しい空撮は素晴らしい映像でしたが、あざといカット割りや大げさなBGMに過剰演出を感じ、少しだけ残念でした。