63年のイギリスでの成功の後、64年のアメリカツアーを経て、ビートルズは「現象」になります。
やがて十分なPAシステムのない中、観衆を納めるためスタジアムツアーという形式に。驚くことに、演奏者が演奏の音が聞こえないため、リンゴ・スターは、ジョンやポールの頭や腰の動きを見てリズムを取っていたと言います。
誰も自分たちの音楽を聴いていない状況に嫌気がさし、66年を最後にツアーに出るのをやめます。リバプール、ハンブルクを経て、ライブの実力はすごいものがあったでしょうに。
しかし、それが彼らをスタジオに専念させ、"Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band" のような傑作に結実していくですから、分からないものです。
そして、最後のルーフトップ。なんとも楽しそうに演奏しているのは、やはりライブが好きだったんだなあ、と感じさせられました。
普通の若者が、上に上にと成功を夢見て、成功をつかみ、そして自分たちが作った「現象」にうんざりしながらも、成長していく姿には心動かされます。